PFCバランスとはたんぱく質・脂質・炭水化物の摂取比率のこと
PFCという言葉は、三大栄養素のProtein(たんぱく質)、Fat(脂質)、Carbohydrate(炭水化物)の頭文字から由来しており、PFCバランスとはたんぱく質、脂質、炭水化物がそれぞれ1日の摂取エネルギー量に対してどのくらいの割合を占めているかを表した比率のことをいいます。まずはPFCのそれぞれの働きについて見ていきましょう。
たんぱく質(P)の働き
主に主に筋肉や内臓、骨、皮膚、髪の毛、血液など、体を作るもととなります。たんぱく質を摂らずにダイエットを続けると、筋肉量が落ちたり、代謝が悪くなったりと身体のあらゆる面に影響を及ぼしてしまいます。
脂質(F)の働き
主に細胞膜やホルモンを作る原料となります。また1gあたりのエネルギー量はたんぱく質と炭水化物に比べ約2倍と高く、効率の良いエネルギー源となりますが、エネルギーの過剰摂取に繋がりやすい栄養素とも言えます。脂質を摂り過ぎると、体脂肪が増え、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪の数値が上昇する原因にもなります。
炭水化物(C)の働き
主に脳や体を動かすといったエネルギー源として利用されます。炭水化物は糖質と食物繊維に分類され、そのうちの糖質を摂り過ぎると体脂肪の増加の原因にもなります。しかし、糖質が不足すれば集中力が低下したり、疲れを感じやすくなったりします。また体の筋肉が代わりに分解されてエネルギーとして使われる(糖新生)ため、筋肉量が落ちる原因にもなります。

理想的なPFCバランスとは
生活習慣病の発症予防とその重症化予防を目的として、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では以下のような目標が設定されています。
栄養素 | 1日の摂取目標量(%) |
たんぱく質 | 1歳以上49歳以下で13~20%、50~64歳で14~20%、65歳以上で15~20% |
脂質 | 1歳以上で20~30% |
炭水化物 | 1歳以上で50~65% |
1日の摂取すべき栄養素量の計算
1日の摂取エネルギー量は1700kcal、PFCバランスをP18%・F27%・C55%に設定した場合1日における理想的な栄養素量は、たんぱく質が77g、脂質が50g、炭水化物が234g
たんぱく質(g)=1700kcal×18/100(%/100)÷4(kcal/g)≒77g
脂質(g)=1700kcal×27/100(%/100)÷9(kcal/g)≒50g
炭水化物(g)=1700kcal×55/100(%/100)÷4(kcal/g)≒234g
一食あたりで換算すると、たんぱく質は約25g、脂質は約15g、炭水化物は約80gの摂取が理想的です。
意外にもたんぱく質は不足し、脂質や炭水化物は摂り過ぎている場合があります。ですので、自分が1日に何をどれだけ食べているか意識・把握することが重要になります。